HISTORY
ヒストリー
山田洸誓の空手・格闘技への想いを
インタビュー形式でご紹介
山田選手は空手とキックボクシングの現役選手ですが、いつからやり始めたのですか?
おそらく5歳の頃です。母が、近所の友達に誘われて。お母さん同士で、「この子達、男の子だし一緒に空手の見学行ってみない?」って話しになって。当の本人達は、よく分からないまま連れていかれましたね。
空手から始めたのですね。
そうです。空手の基本練習があるのですが…
母が言うには、連れて行ってすぐに、その基本練習をしているところを見て、なかなか様になっていた様で、「うちの子、カッコイイ!もしかしたらイケるんじゃない?!」って思ったそうです。でも実際やり始めたら全くダメダメで、とても弱かったです(笑)
弱かったのですか?最初から強そうなイメージ持っていました。
ほんとに弱かったですよ。何となく空手を習い始めて、何となく続けていました。
自分なりには一生懸命やっていたような気もしますけど、まだ小さかったですしね。
そうですよね。小学1年生にもなってない時ですもんね。でも、そんな山田少年が本気になるキッカケはなんだったのですか?
キッカケですか…たしか、空手を習い始めて1年位経った頃、初めて試合に出場しまして、その試合を初めて父が見に来てくれました。それまで、父は空手に全く興味がなかったようで、空手の練習も送り向かえも一度もしてくれた事がありませんでした。
そうだったのですか?山田選手のお父さんといえば、とても熱心な方ですよね?
最初は真逆で、興味がなかったようだったので、母がずっと送迎をしてくれていました。
だから初めて父さんが試合に応援に来たって、嬉しいじゃないですか。ワクワクドキドキしながら試合しますよね。初めての試合で緊張もして…それで、試合の結果はコテンパンにやられて、負けました(笑)
それは、残念でしたね。
逆に負けたのが良かったのだと思います。
この試合の日がまさに『キッカケ』だったのかなと思います。
負けた事によって山田少年に何が起こったのでしょうか?
僕というより、この日から父が急に変わりました。
父が空手も連れて行ってくれるようになり、練習も残って見学して、連れて帰ってくれる。
空手の練習中、親は道場に途中まで入れないのですが、窓の外から覗いてくれていました。冬のめちゃくちゃ寒い日もそうです。外は真っ暗です。時間になって道場に入ってきたら、ガッツリ近くで見てくれていました。帰りの車中では、「あの場合はもっとこうした方が良い。ああした方が良い。」って家に着くまでずっと厳しめにガッツリ言われていました。
山田選手のお父さんに変化があったのですね。心強い味方の誕生ですね!
本当にその通りです。父が付きっきりになってから、練習の密度が濃くなりました。
自宅に道場を作ってくれて、練習の後も自宅で練習です。夜12時頃まで練習をしていた日もありました。「ただなんとなく…ぼんやり…」というのは無くなりましたよね。父が怖くて(笑)ぼんやりなんて出来ないです。真面目に練習せざるを得ない(笑)もう本当に必死でした。
小学生の時から今のような親子一丸となって空手に取り組んできたのですね。
そうですね。それからは、ずっと一緒にやってきました。
僕は練習を頑張って、父は戦い方を練って、相手の研究(データ収集)をしていました。父は僕より試合相手の事に関して詳しかったですよ。相手の事を知ったうえで試合に臨んでいました。子供の時に、父と一緒に朝風呂に入り、今日の試合の対策の話とか聞いて、「試合に行く!」って感じでした。
このスタンスが続いていたので、試合前の習慣になっていましたね。
小学生の頃からかなり本格的ですね。
僕はそういう自覚はなかったですが、父がそういった練習を僕にさせてくれました。僕は、その流れに任せ練習に打ち込みました。そのやり方しか知らないし、父親は怖いし(笑)
小学生といったら、もっと遊びたい!たまには練習休みたい!とかあると思いますが、そういう事はなかったのですか?
ありましたけど、父が怖くて「練習を休みたい」とは言えなかったです。(笑)父は厳しかったし、怖かったですよ。僕はとてもビビってました。
そんなに怖かったら空手辞めたくなったりしなかったんですか?
全くなかったです。僕は空手が好きだったんでしょうね。
しんどくても、辛くても空手を嫌だとは思った事はなかったです。勝てればほんとに嬉しいし、負けたら悔しいし父が怖いし(笑)。負けた日の帰りの車では、父が醸し出す不機嫌パワーに耐えられなくて、たいてい嘘寝をしていました(笑)。
色々面白い話しはありますが、おいおいとお話ししますね(笑)
面白い話しですか?楽しみにしています。今でもお父さんは厳しそうに見えます(笑)
昔は今よりもっと厳しかったです。
試合先で知り合った他道場のいろんな子たちが休みの日とか、うちに泊りがけで出稽古させてくださいって言って、稽古に来ていた時期もありました。
練習に来ていた子が別の試合で優勝することも多々ありました。そうしてみていると、「父のやり方はあっているんだ。結果が出せる練習なんだ」って思いましたね。でも、ある意味、優しいんだと思います。今ならそう思えますね。
子供の空手に本気でした。それもこれも僕が空手で強くなる為に。もし、自分にいつか子供ができたとして、あんなに「一生懸命に子供に付きっ切りでいてあげられるかな?」って考えたら、たぶん無理な気がします。だって、自分の時間のほとんどを僕に使っていましたから。
僕がいつかお父さんになっても、同じ熱量で同じことをしてあげられるのか、わからないですね。
それはこれからの山田選手のお楽しみですね(笑)
そうですね。当面は現役選手で頑張って挑戦し続けます!それと、僕の教え子、弟子には僕なりの全力で向かいたいですね。
山田選手のお弟子さんとは?
平日、僕は正道会館高知、戸田道場で師範をしていました。
その時は空手の先生をやっていたんです。その子たちを試合に勝てるように、「どうやったら分かってくれるかな?聞いてくれるかな?」って僕なりに工夫していました。
地元の新居浜ではなくて…。
高校卒業後の進路で迷っていた時に、試合会場で声をかけて頂いたことがきっかけです。その頃は、「自分はずっと空手をやっていく!」って決めていたので、それからは高知でやっていました。
週2日は新居浜に戻って、自宅の道場で父と練習していました。その時には、練習したり、友達に会ったり、気持ちの切り替えをするのにとても良かったです。
指導しながら現役選手としても自分の練習をしていたんですね。
そうです。試合直前でも子供たちに指導していましたが、僕はだいぶ怖かったみたいです。話しかけにくいらしくて。
僕の気持ちは試合に向かっているので、目が笑ってないですよね(笑)子供たちはその辺やっぱり敏感ですね。自然に察知しています。減量もしているのでお腹すいていますし、気分は野生のライオンです。「寄ってきたら食いつかれるぞ!」って感じですかね(笑)その時の頭の中は「計量した後何食べようかなあ」ってそれだけです(笑)。
普段はスマホで検索するのも洋服とかアパレル関係なのに、減量がきつくなってきたら飲食店とか探していました。
計量会場の近くで評判のお店とかを探しています。いきなりたくさんは食べられないので、何軒かはしごするんですけど、カレーライスは締めに食べたくなるのであちこち探します。時にはタクシーとか電車で移動してでも目的のお店に行きます。
これで美味しいお店だったら、本当に幸せを感じます。
体中に染みこみますね。美味しさが浸ってきます。(笑)
そうじゃなかった時は、「この俺に何食べさせるんじゃい!」ってかなり不機嫌です。ちょっと普段の自分とは違う人になっている気がします(笑)
指導しながら全日本選手権で2連覇するなんてすごいですよね!
とてもがんばりました。どうやったら勝てるか試行錯誤して、優勝できたので嬉しかったですね!
それ以前に出場した時に1回は勝ったんですが、その後負けてしまいました。ベスト8に残らないと開会式に出られないので、会場のベンチで座って見ていました。悔しかったですね。目の前で華やかな開会式しているのに、自分はそこに行けない。
それを見ながら、「もっと頑張れたんじゃないかな。やれた事あったんじゃないかな」って。それからですね。
きちんと自分が足りないところを見つめて、どんな練習がいいのか、空手の練習はもちろん、フィジカル面、トレーニング方法を探しました。有名選手のトレーニング方法を参考にして、いろんな道具も買ったりしました。でも、実は、練習嫌いなんですよね(笑)なので、自力って難しいんですよ(笑)追い込めない(笑)
「何かないかな」って探している時に「加圧ってどうかなあ?」って思い、加圧トレーニングができる所を探しました。高知でもいろいろ体験しに行って回りましたね。でも、自分が思い描いているトレーニングをしている所が無かったです。
アスリート向けの本格的なものを求めていたので、女性用の軽いプログラムだったりして、物足りなかったです。中々見つからず困っていた時に、知り合いから『新居浜にあるこんどう接骨院が加圧トレーニングをやってるみたいだよ!』と教えてもらいました。すぐに電話をかけてみると、院長がアスリートのトレーニング指導やメンテナンスも行っていたとのことで、僕が悩んでいたカラダの疑問に対して、一つ一つ丁寧に答えてくれたことが印象に残っています。この人なら信頼できる!と思って「よし!次の来週の地元帰るときに行きます!」って言ったら、「いま予約がいっぱいでして、半年ほど待ってくれたら空きが出るかもです。また半年後にきてくれますか」って!(笑)
まさかの待機でした!(笑)でも、ちゃんと半年待ちました。半年後電話して、新居浜で加圧トレーニングをようやく受ける事ができました。加圧トレーニングはアスリート向けの、自分が求めていたガッツリとしたのでした。
正直、かなりヘトヘトで、ヨロヨロになりました。加圧トレーニング後、すぐ高知に帰る予定だったのですが、「帰れるかな」って心配する程ばててしまいました。
でも初日に、「変われる!」って手ごたえを感じましたね。それからは、実は練習が嫌いな僕にしては、真面目に通って、真面目に加圧しました。
加圧トレーニングを取り入れて具体的にどう変わりましたか?
続けていると、みるみる体系が変わって、弱かった部分も難なくクリアして、本当にどんどん自分が変わっていくのを感じました。
フィジカルが弱い時は、突きや蹴りをもらった時に自分では全然効いていないんですが、かなり身体がブレていました。なので、審判の印象がすごく悪かったんです。それと、こちらからの攻撃も自分ではしっかり入っているように感じても、相手にはあまり効いてなかったですね。それが、加圧トレーニングを取り入れてからは、軸が強くなって打撃を受けても全く身体がブレなくなりましたし、こちらの突きや蹴りにしっかりとパワーが伝わるようになったので攻撃が重くなり、相手が面白いくらい吹っ飛んでいくようになりましたね!戦いながら、え!?こんなに違うんだ!』って、自分でびっくりしました。これは余談ですけど、見た目もムキっとしてきて、好きな服もカッコ良く着こなせるんで結構評判いいですね(笑)
「フィジカルは地元で加圧トレーニング。その次は作戦練って」を繰り返して、次の全日戦に備えていきました。加圧トレーニングを取り入れてからはずっと負けなしです。優勝も2回できました。3連覇も狙っています。キックボクシングという、新たなチャレンジにも挑戦できるようになりました。更に高みを目指している真最中です。
山田くんのルーツと優勝を勝ち得るまでを熱く語って頂いてありがとうございました。またキックボクシングの事、新しく正道会館・新居浜支部の開設のお話しを聞かせてください。
はい。よろしくおねがいします。その辺、また熱くなりそうですがよろしくお願いします(笑)